No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

マイ・アントニーア by Willa Cather

あらすじ

舞台は19世紀後半のアメリカ中西部。

ネブラスカの大平原でともに子供時代を過ごしたこの物語の語り手「ぼく」と、ボヘミアから移住してきた少女アントニーア。

「ぼく」はやがて大学へ進学し、アントニーアは女ひとり、娘を育てながら農夫として大地に根差した生き方を選ぶ。

開拓時代の暮しや西部の壮大な自然をいきいきと描きながら、「女らしさ」の枠組みを超えて自立した生き方を見出していくアントニーアの姿を活写し、今なお読む者に強い印象を残す。

 

 

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ウィラ・キャザーの存在もこの作品も全然知らなかったけど、なんかそのタイトルに惹かれて読んでみました。

勝手に、近代の作品なのかな、と思ってたんだけど1918年出版なので大分古いですね。

フィッツジェラルドヘミングウェイよりも先の時代のアメリカ女流作家です。

 

内容はあらすじの通りです。

ボヘミアっていうのが、なんだか異国情緒溢れる感じでいいな、と。

でも舞台はアメリカなので、別に内容は異国情緒溢れる感じではなかったですが。

 

一言で感想を言うと、うーん・・・って感じでした。

面白くないわけではないのだが・・・。

退屈する場面が多かったように思う。

 

何だろうかな。

 

タイトルのアントニーアってのがボヘミアから移住してきた少女で、語り手のジム・バーデンと友情を育みながら、アメリカでの移民生活をたくましく生きていくのですよね。

このアントニーアの人生がなかなか波乱万丈で、父親の自殺があったり、経済的にも苦しかったり、恋人との間に子供をもうけるも、結婚できなかったり・・・と不幸続きです。

それでも、全然悲愴になることなく、強くたくましく生きていく姿が描かれています。

 

ただ、彼女のキャラクターや描写、彼女の人生で起こる出来事などがいまいちドラマ性に欠けていたと思います。

わざわざ小説にするほどの人物像でもなければ、人生でもないような・・・。

 

だからそこまでの長編ではないのに、すっごく読むのに時間がかかってしまったんですね。

要は、退屈なんですね・・・。

 

ジム・バーデンっていう少年も、何だかイマイチで。

アントニーアやその一家は移民なので、考え方や生き方がアメリカ人のそれとは違います。

ゆえに異文化交流の摩擦ってのが起こるのですが、アントニーアのことをすぐ嫌いになったり、彼女の母親や家族のことも結構すぐに嫌になるんですよ、このジムってのが。

まあ、少年という設定なので仕方ないんですけども。

それに最終的にはアントニーアのことも、すごく好きになりますし、子供ゆえの気まぐれだったり忍耐強さの欠如だったりが原因であるのは重々わかっています。

それでもやっぱり、ジムの語り、これいる?っていう発言なんかが多かったかも。

ジムの人物像ってのがまた弱い気がして。

 

どうでもいいんです・・・ジムやアントニーアのことが。

読んでいる間中、本当に登場人物たちに興味が持てなかったw

 

こんな小説って逆に珍しいです。

というわけで、私には全然合わなかったのでしょう。

 

ボヘミアとか移民なんてインパクトのある題材がきているので、もっと深い内容を予期してました。

薄かったです・・・。

 

私の感想があまりにも乏しいので、今回は訳者解説からの文章を抜粋して終わりにします。

 

経済的な困難、厳しい冬に耐えられなかった父の自殺、恋人の不実と私生児の出産といった苦境を乗り越え、農夫として、また十一人の子どもの母親として満ち足りた人生を送るアントニーアの姿は感動的であり、都会に生きる人間には郷愁を誘うものでもある。(312)

 

さっき私が書いた文章はほぼこの文章から取っている・・・。

 

かといって、誰にもオススメしない!とまでは言わない。

でもどちらかというと、中学生ぐらいが読むものかな〜って感じでした。

大人が読むものとしては、色々と物足りないと感じる人が多いんじゃないかと思います。

 

移民とか異文化交流、女性の自立、自由な生き方をする女性、経済的問題、人種問題、などなど語られるテーマ自体は子供じみたものではないです。

それでも、その一つ一つの描写が甘いというか深みがない。

中学生ぐらいまでの子どもが読めば、面白い!って思えるかもしれないな〜。

 

本作で一番印象に残った場面ですが、ジムは一時期リーナ・リンガードという自由奔放な感じの女性とデートをしたりして過ごしていました。

 

そこで、オペラを見にいく場面があるんです。

ここで詳細に語られるのが「椿姫」なのです。

この作品ほど悲恋を美しく描いたものはないんじゃないかと思ってしまう。

高級娼婦のマルグリット・ゴーチエと彼女に恋をするウブな青年アルマン・デュバルです。

作品中の他作品の言及はよくある話ですが、実際に話の流れまでざっくりとではあれ説明されているのは珍しい気がする。

改めて、「椿姫」って最高に素晴らしい文学なんだなってことに気づけました。

マイ・アントニーアを読んだ人は、ぜひ「椿姫」もチェックして欲しいです。

 

riza.hatenablog.com

 

 

マイ・アントニーア (文学シリーズ lettres)

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