No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

すてきな三にんぐみ by Tomi Ungerer

 小学校1年生の時だったと記憶しているけど、この絵本が教室の本棚に置いてあって読んだのが初めて。

それからお気に入りの絵本としてよく読んでいたけど、買ったのは大人になってからだった。

好きだったし、買って!と親に頼んでもよかったものの。

そして、大人になってから、またあの絵本読みたい!って思って買って読んだけど、何度読んでもいいものはいい!

自分が7歳の時に読んで好きだった絵本を、今1歳、3歳の甥っ子たちに読んであげている。

特に3歳の子は、私が好きで読みまくった甲斐もあり、この絵本を覚えてくれている!

1歳半か2歳ぐらいのときは「みんみん!」って言ってこの絵本を読んで!とせがんできた😊

小さい子供でも大人でも好きになる魔法の絵本のようだ。

GraniphでTシャツが売っていたので、迷わず甥っ子に購入😊

 大人が着てたらちょっと面白い。笑

 

まず、絵が好き。

絵本で一番大事なのは絵だと思う。

内容ももちろん大事だけど!

内容が素晴らしくても絵が変だったら、その”絵本”は好きになれないかも。

暗いといえば暗い絵だけど、ティファニーちゃんとか最後に出てくる赤い帽子に赤マントの村の住人達とかはすごくかわいいし。

 

原題は"Les Trois Brigands"、ということで3人のどろぼうたちの話である。

あらわれでたのはくろいマントにくろいぼうしのさんにんぐみ

それはそれはこわーいどろぼうさまのお出かけだ

 

もう出だしの部分、空で書けてしまう・・・。

このセリフのように覚えてしまうような流れるようで印象的な文章がまたいい!

いまえよしともさん!

 

村の金持ちの住人を狙っては金銀宝石のお宝を奪い取り、山の隠れ家へ持ち帰っていたさんにんぐみ。

脅しの道具は3つ。

ひとつ ラッパ銃、ふたつ 胡椒ふきつけ、そしてみっつめは 真っ赤な大まさかり

だが決して直接、住人を傷つけはしない。

馬車を止めたりするのに使っているのだ。

 

ある日、今日も金持ちから宝を奪おうと馬車を止めたが、そこにいたのはみなしごのティファニーちゃんだけだった。

いじわるなおばさんのところにやられるのが嫌だったので、このおじさんたちと一緒にいるほうが面白そう!と喜んだので連れて帰ることに。

 

翌朝目を覚ましたティファニーちゃんは宝の山を見てびっくり!

「まあ、これどうするの?!」

彼らは額を集めて相談した。

これまではどうするつもりもなかったものだから。

 

その後、さんにんぐみはティファニーちゃんのような、みなしごたちを世界中から集めた。

寂しく哀しく暗い気持ちで暮らしている彼らのために大きなお城を作ろう、そしてみんなで一緒に暮らすんだ。

 

お城のうわさは広まり、みなしごの子供たちが次々に増えた。

そんな子供たちはすくすく育ち、次々に結婚、村がどんどん大きくなった。

 

最後、村の住人たちは大きな塔を3つ建てた。

みんなのすてきなさんにんぐみを忘れないため。

その塔は彼らにそっくりだった。

 

というお話である。

 

何とも愛らしいお話!

表紙とか、どろぼうって言うところで、誤解されやすい絵本なんだろうな。

私が家で読んでいたことで、内容を知った母や姉も「これってそんな話だったんだー」って。

 悪さをしていた人間が最終的に善行を・・・とはその表紙のイメージから思ってなかったらしい。

ただ、母の一言「でも奪ったお金やん」

・・・・・。

 

興ざめの一言・・・。

でも、アンゲラー(ウンゲラー?)のこの諷刺っぽいところがまた好きなのだ。

子供の時は、そこまで思わなかった、というか気づかなかった?かな。

もちろん、奪った金で善行を積んでも、良くないことをしたことは事実。

だが、ポイントはそこではない気が。

有り余るほどのものを、何の目的もなく、どうするつもりもなく、持て余している人間が多いんではないかってこと。

ではそのお金、そのお宝、本当に必要な人のために使えないのかってこと。

アンゲラーの言いたいことはそっちではないかな~。

 

そして、この絵本をもとにしたショートフィルムもあるらしい!

それは知らなかった。今度観てみよう。

 

もうこの作家も、御年86歳!

この絵本の最後に、若かりし頃の彼と娘との仲睦まじい写真も載っていて、そういうところも含めて心温まったな~。

絵も、お話もすべてが素敵な本当に素晴らしい絵本です。 

 

すてきな三にんぐみ

すてきな三にんぐみ