No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

高慢と偏見 by Jane Austen

本作品は、映画『プライドと偏見』を観たことがあったので、内容は知っていた。
エリザベスとダーシーが最初こそ反発しあうけれども、偏見をもって相手をしっかり理解できていなかったことなど、最終的には誤解もなくなり結ばれるという話だ。

エリザベスの家庭は中流階級ではあるけども、下の方に位置する家柄かつ父はまだましだが、母や妹たちは残念ながら言動等が下品かつ浅ましいため、上流階級のダーシーには反感を抱かれる。
長女ジェーンとエリザベスだけには、なぜか母の下品さなどは受け継がれなかった。
ダーシーは身分の低さや、家柄を軽蔑しながらも、聡明で美しいエリザベスを愛さずにはいられなかった。
対するエリザベスはダーシーの高慢さや、ぶっきらぼうさや、またウィッカムという彼の古くからの友人から、ダーシーのひどい仕打ちを知るなどして、彼への嫌悪感を募らせていく。

しかし、ある日突然のダーシーからの愛の告白、またその後発覚したダーシーとウィッカムの間の真相。
これらによりエリザベスは偏見によりダーシーを誤解していたこと、また親しみやすく容姿端麗であるという理由でウィッカムを高く評価していたことを知り、自分自身に失望する。

誇り高いエリザベスは、自分が偏見などといった愚かな観念で人を誤った判断で評価していたことを恥じ、またその後のいくつかの出来事から、ダーシーの本当の姿を知り、尊敬と感謝の気持ちさえ抱くようになるのだった。
紆余曲折はあったものの、二人はお互いの想いを確かめ、最後はめでたく結ばれる。

身分違い、年の差恋愛、舞台はイギリス、女流作家・・・
ジェーン・エア』を思い出してしまうが、本作品もなかなか面白いし、エリザベスやその姉妹、両親、ダーシーやその友人、兄弟など魅力的な人物たちも多かったし、良い作品であるのは間違いない。
ジェーン・エア』が良すぎたから、遠く及ばないと思ってしまうけれど。
ジェーンのロチェスターへの愛、また彼からの愛ってのは激しくて、読んでいて感動の嵐だった。
エリザベスとダーシーの愛は、もっと穏やかな印象を受けた。
私の好みとしては『ジェーン・エア』となるけれど、本作も世界中から女性ファンが多いようで納得だ。

真実の愛を見極めるには、審美眼ってものが必至なのだと思う。
それは決して外的なものでは判断できかねる。
外的な美しさももちろん大事ではある。
しかし、ウィッカム、彼はイケメンかつフレンドリーで人の心をつかむことが得意。
これでエリザベスも騙されるのだが、実は金や女や、というかすべてにだらしのない不品行な男だった。
ダーシーは堅苦しく、あまり笑わないし、無口だし、口を開けば高慢だし、確かにとっつきにくい人物ではある。
でもそれだけでは、その人の心の中、本当の姿、深さは見えないのである。

最近は、やっと良い恋愛文学に出会えるようになってきて嬉しい。

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)