No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

オペラ座の怪人 by Gaston Leroux

ミュージカルで有名な本作を原作の小説で読んだ。
2013年5月、『オペラ座の怪人』のミュージカルを観に行き、私は非常に感動した。
怪人の孤独と悲劇的な人生に涙もしたし・・・。

原作はミュージカルとは少し趣が違っていた。
まず、作者は実際にオペラ座で怪奇的事件が起こっていたことを知り、それをもとに本作を書いている。
もしかしたら、本当に怪人なる人物は存在していたのかもしれない。

歌姫クリスティーヌと怪人、そしてクリスティーヌに恋するラウルが主な登場人物。
内容はミュージカルとほぼ同じ。

ただ、ミュージカルでは、私だけじゃなく、多くの人がそうだと思うが、怪人に同情心がわいたのではないだろうか?
醜さゆえに仮面なしでは人前に出ることが出来ず、愛されることも知らない怪人が、クリスティーヌへの愛を貫こうとしたが、愛敗れてしまう。
クリスティーヌも怪人に怖れを抱きつつも、その声に惹かれていたし、二人が結ばれることを願ったではないだろうか。
確かに、怪人は殺人を犯したり、わがままで自分勝手ではある。
しかし孤独で誰からも愛されたことのない彼を思えば、同情心や、また愛を与えたいと思えてくるのではないか。

しかし!!!小説において、私はその感情を全く抱くことが出来なかった。
怪人はもはや人間とはいえず、腐敗した骸骨か、あるいは髑髏のように描写されているのだ。
ただ奇形とかのレベルではない・・・。
正真正銘の"phantom"、お化け、幽霊?なのだ。

その描写があまりにもおぞましく、ぞっとするものだったので、ミュージカルを観た時に感じた怪人への憐憫とかそんな感情が一切持てなかった。
クリスティーヌや、ラウルの恋愛関係は、私にとってはあまり関心が持てなかった。

原作が上とは限らないものだ。
ミュージカルが本作においては、断然勝者と思う。

オペラ座の怪人 (角川文庫)

オペラ座の怪人 (角川文庫)