世界を旅する読書たち 

RIZAです。世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

ティファニーで朝食を by Truman Capote

こちら、先に映画を観ていた。
私は、基本的に原作よりも良い映画はないと思っている。
でも本作品の場合、映画の方がストーリー的に良いと思った。
特にラスト。
原作はあまりにも淡々としすぎている。
まあそれが本来カポーティの描きたかったことだから、映画と比べるのはナンセンスかもしれない。

ホリーという一応女優ということになっている自由奔放な女性と、たまたま同じアパートに引っ越してきたポールという小説家との恋愛物語。
映画では、ポールはイケメンだから、魅力的なホリーと最後結ばれるのもうなずける。
しかし、原作のポールは決していい男ってタイプではなく、終始ホリーに都合よく扱われているだけ。
彼自身も、決してホリーを立ち直らせたい!とか俺がこの女を変えてやる!みたいな熱もなさそうだ。
ホリーを魅力的だと思ってはいるが、決して自分とは結ばれるはずはないと思っている、そんな感じなのだ。
映画を先に観てしまったせいで、どうしてもそれと比べてしまうのだが。

原作では、結局ホリーはブラジルへ。
その後どうなったのか、ポールには分からんよ、って話。
まあ、ホリーのような自由人がどこかに留まるなんてありえんよって話。
でも、このラストのままじゃ映画はヒットしなかったんじゃないかな〜。
万人受けするためには、やっぱり映画のようなラストがいいんでしょうね。

ポールをいい男として見立てて、二人がお互いに惹かれ合う様を描く。
うまくいくか!?と思いきや、オードリー演じるホリーは、ポールをポイしてブラジルの富豪の元へ行こうとする。
そんなホリーに心底愛想を尽かしたポールは、ホリーが今まで誰にも言われなかったであろう厳しい捨て台詞を吐いて去って行く。
そこで、ようやくホリーの心にも変化が起き、タクシーを降りて・・・。
この結末の方が、数倍ロマンティックで人々の心に残るだろう。

カポーティが描きたかったのは、そういう感動的なLove storyではなかったから、彼としてはうーん・・・違うんだけど・・・って思っただろうけど。
ただ、原作のホリーはとても好きになれないタイプの女性だし、共感もできなかったので、私としては映画の方がやはり好きだな。

人物像も物語の展開も、全く違うので、映画と原作は全くの別物としてみるべきであろう。

ティファニーで朝食を (新潮文庫)

ティファニーで朝食を (新潮文庫)