No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

車輪の下 by Hermann Hesse

とても読みやすかった。
色々な訳本が出ているだろうけど、読みやすいと評価の高かった本書を選んだので読むならぜひこちらをお選びください。

ハンスはかわいそうだったね。
勉強って一体なんのためにするんだろう?って本書を読むと分からなくなってしまった。
知識を得ることはもちろん大事なことだけど、友達と無邪気に遊ぶとか、自然の中で生き生きと過ごすとか、恋をするとか、何も考えずただ楽しく過ごすとか、その他にも大事なこと、特に子供時代に大事なことはいっぱいあるわけで。

重荷に耐えきれなくなった少年は自力ではもう這い上がることができなくなってしまったんだと思う。
それを救ってやるはずの大人たちが、逆にハンスをどんどん潰していってしまった。
なんとも皮肉な結果に終わってしまったのである。

解説が丁寧でわかりやすく本当に良かった。
翻訳とは、ただ単にある言語を別の言語に書き換えることではない。
ましてや、文学作品は作者の思想や当時の社会情勢や問題などあらゆる要素が混ぜ合わさって出来上がるものだから、それを翻訳するとは、それはそれは大変な作業である。
作品の背景を、作者の思いを、研究されて初めて、本当の翻訳作品となる。
その作品を大切に思う心が本当に大事なんだってことがよく分かる翻訳である。

ヘルマン・ヘッセ全集〈4〉車輪の下・物語集2(1904‐1905)

ヘルマン・ヘッセ全集〈4〉車輪の下・物語集2(1904‐1905)