No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

怒りの葡萄 by John Steinbeck

住む場所を奪われた農民たちの死闘を描いた作品。
今回読んだ翻訳本は上・下巻とあり分厚いけど、内容も重厚でとても読み応えがあった。

富める者は、必要以上に貧しい者から何もかも奪っていく。
作品を読んでいる間中、ずっと憤りを覚えるほどだった。

ジョー一家を始め、多くの農民一家がカリフォルニアを目指して旅して行く光景が非常にリアルに描かれ、目に浮かんできた。
農民たちの不屈の精神たるものが力強く描かれていて、大きな力を感じられもした。

なぜ人間はshareすることができないのだろうか。
もし全ての人々に均等に物が与えられれば世界は驚くほどに良くなるのにと思った、と同時にそんな日は決して来ないだろうとも思い、悲しくもなった。

しかし、本作を著したスタインベック自身こそ希望を見出せないような現実を目の当たりにしたはずなのに、家族がバラバラになりながらも希望を見出せる結末にしているのだから、読んだ私たちが絶望しているわけにはいかない。
スタインベックの著した希望の光を失わず、世界が奪い合いの土地ではなく、分け合える土地とならんために、一人一人が意識改革していくこと、そこにこそ本作品の意義はあるのである。

怒りの葡萄 (上巻) (新潮文庫)

怒りの葡萄 (上巻) (新潮文庫)