No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

復活 by Leo Tolstoy

トルストイはなぜか避けていたのだが、この作品を読み、彼もやはり偉大な作家なのだということに確信を持つことができました。
ロシア文学はなぜここまで壮大かつ威厳があるのでしょうね。
やはり国が大きいからでしょうか。
政府や様々な人間模様があって、また国がやりたい放題やることで犠牲になった多くの庶民もいたのだろうね。
そのような暗い苦しい歴史を持っているからこそ、ロシア文学は他の文学にも増して、凄みがあるのだと思う。

前置きはこの辺にして本題に入ります。
侯爵ネフリュードフがかつて若い頃に犯した女性カチューシャ。
その彼女が、今は犯罪者となり、法廷に現れる。
彼が彼女を裁く側に立っているという点から、ネフリュードフは自分の犯した罪が、純真だったカチューシャが道を踏み外すきっかけを作ってしまったのかと、激しい自責の念にかられ、それまで考えだにしなかった社会の底辺で生きる人々へ目を向けて、人間的に復活していくという様子が描かれる、というのが大筋である。
ネフリュードフとカチューシャの恋愛事情を描きたかったというよりかは、むしろ当時のロシア社会に潜む様々な不公平や悪への反抗を描きたかったのだろう。

社会の上層にいる者たち、侯爵だったり、政治家だったりは所詮自分らの利益しか考えていないし、自分らは贅沢三昧な暮らしをしているのに、無実の罪で投獄されたものや、貧しすぎる故の苦痛からの犯罪により、あまりにも重い刑に処されている、そんな社会の底辺に生きる人々には微塵も、1ミリも同情せず、というか興味すらないとうロシア社会の腐敗性!
これは読んでて恐ろしいくらいでしたわ。

ネフリュードフは、最初こそ、侯爵という高い身分で高慢だったが、かつて罪を犯した相手であるカチューシャが今は犯罪者となり、堕落してしまった姿を見て衝撃を受けるのだ。
彼女を救いたいと思ったのをきっかけに、彼女のみならず、無実の罪で投獄されている人々や、身分の低さなどから社会の餌食となっているような庶民らに対しても慈悲心を持つ。
彼には侯爵という身分があり、権力があるわけだから、社会変革していこうというのだ。

ロシア社会はネフリュードフが変えていくにはあまりにも広大でまた腐敗のレベルも凄まじかったと思うが、トルストイはこの一人の人物に、しかも侯爵という身分の高い男に、このロシア社会を救ってくれ!と望みを託したように思える。というか、救いたい!というのがトルストイ自身の心の現れだったろう。
トルストイの怒りがネフリュードフを通して痛いほどに伝わった。
社会全体を改革することは決して容易ではないが、一人の偉大な精神はそのきっかけを生みうると信じることができた。
偉大な作品なのだが今のロシアは果たして・・・。世界が変わるのはなかなかどうして難しいことですね。

復活 (上巻) (新潮文庫)

復活 (上巻) (新潮文庫)