No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

大いなる遺産 by Charles Dickens

ネタばれあり

貧しい鍛冶屋のジョーとその嫁の弟であるピップ。
ピップは貧しいながらも心優しいジョーを兄のように慕い、いつかは自分も鍛冶屋となるはずだった。

とあるきっかけでピップは足かせにつながれた囚人を助けることになる。
その後の高貴な娘との出会い。そして突然謎の人物から与えられた莫大な遺産。

この大いなる遺産相続の出来事をきっかけにピップの運命は大きく変わる。
富を得ることになった途端、貧しいことを恥じ、上流階級の世界へ足を踏み込んだピップ。
やがては優しかったジョーのことも忘れ、贅沢三昧の暮らしに明け暮れることとなる。
金が人をここまで愚かしくするとは・・・。読んでいて恥ずかしいぐらいである。

そしてついに明かされる謎の人物・・・。そう、あのかつて助けた囚人であった。
何をしでかしたとも分からない男からの遺産であったと知り、絶望するピップ。
なんとかして彼との縁を断ち切ろうとするが・・・。

関わる中で生まれた囚人への人間愛。
彼は罪こそ犯したかもしれないが一人の人間。愛すべき人間であることに気づいてゆく。
彼との関わりを経て、心を改め、ジョーのもとへ戻るピップ。
そこでピップは、昔自分を愛してくれた女性との結婚を決めるが、心変わりした彼女はジョーと結婚する。

金によって人が変わってしまうことの哀しさや、人間のおかしさを、ユーモアを交えながら哀愁たっぷりに描いてる。
哀しいのだけれど、ディケンズの人間への深い愛情を感じ取ることができる作品でもある。

大いなる遺産 (上巻) (新潮文庫)

大いなる遺産 (上巻) (新潮文庫)