No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

罪と罰 by Fyodor Dostoyevsky

この作品は、ドストエフスキーの作品の中でも特に有名かつ評価が高いものなのだが、私はそこまで感銘を受けることができなくて残念だ。
私の頭が本書の持つ難題なテーマについていけなかったからなのか、なぜに本作がそこまで評価されているのかわからなかった。

主人公の大学生ラスコーリニコフには、彼特有の哲学というか考え方というものがあって、それに沿ったら殺人も肯定されるため、人間的に終わっている老婆を殺害するわけだが、そもそもこの殺人は、彼が自分の人生を都合よく生きるための殺人でしかなく、まずそこにかなり違和感を覚えた。
確かにこいつが消えてくれれば人生はもっとスムーズに運ぶのに!とか思い、それがあまりにひどくなると、殺人という罪も犯す人間はこの世に無数にいるのも事実だが、ラスコーリニコフの鬱陶しい点は、罪を犯しているにも関わらず、自分は正しい考えのもとでしたまでだ、という勝手な自己正当化の元で殺人を肯定化しちゃっているところだ。
良心との闘いを経て、魂の成長を通してまた一歩前へ歩いていくことに決めた青年の物語ではあるが、ラスコーリニコフのわがままで傲慢で自分を正当化することで精いっぱいの姿を見ると、やはり共感はできなかった。
罪と罰と言っているぐらいだから、最終的には悔い改め罰を受けることで良心に従いはしたが、その過程も私にはよく分からなかった。

ドストエフスキーの作品は、『カラマーゾフの兄弟』も『白痴』も素晴らしかったし、大好きな作家なのだが、この作品だけは私の気に入らなかったようである。
でも私がバカで理解できなかっただけかもしれんから、もう一回読んでみようかなとも思っている。

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)