世界を旅する読書たち 

RIZAです。世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

ちょっとピンぼけ by Robert Capa

戦場写真家のキャパの作品。
彼が戦場で友人、恋人、戦争などの経験を書き記したもの。
文体は淡々としていて、一見戦争なんて何でもないものだと思っているのではないか、と疑ってしまう。
戦争を当たり前のように感じていないか?それを写真に収めて何がしたいのか?
キャパの書く文章からは戦争への反抗心や戦争を憎む気持ちはあまり伝わってこなくて、ただ仕事として淡々とカメラに収めているように感じられてしまう。
しかし、それは私の誤解である。
戦場カメラマンは、兵士と同様命がけである。
兵士とともに戦場に赴き、弾丸が飛び交う中で一枚一枚を撮っていく。
戦争中、愛する女性と穏やかにゆっくり過ごすこともできぬまま、戦地に赴く。
キャパの心の中にはきっと戦争を憎む気持ちもあるのだろうけど、彼は冷静すぎるのか、感傷的にならないようにしているのか、文体からはあまりそれが感じられないのである。

私は戦争ものが好きではない。
なのでこの作品もあまり楽しめなかった。
戦争ものはどうしても退屈なのである。
戦争ものに”楽しさ”を求めること自体無論間違っているのではあるが。

戦争を起こす人間はあまりにも愚かでまた哀れであるし、関係のない人々を犠牲にして巻き込む、最低最悪な行為である。
そんなこと、分かり切っているのに、戦争のことを本でまで読みたくないのである。
しかし、キャパが命がけで撮った写真を見ることは価値のあること。
キャパのために、この本を読もうと思っていただきたい。

ただ、戦争を憎む気持ちはキャパのこの言葉からすでに明らかなのではあるが。
"I hope to stay unemployed as a war photographer till the end of my life."

ちょっとピンぼけ (文春文庫)

ちょっとピンぼけ (文春文庫)