No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

アルジャーノンに花束を by Daniel Keyes

残酷な物語だ。

知的障害のチャーリーが画期的な脳の手術で天才へ変貌する。
しかし天才になる一方でその進化に精神はついていけず、孤立してしまう。
最も残酷なのは、今まで彼を馬鹿にしつづけた周りの者が彼をもはや馬鹿にすることができなくなったことに腹を立てたのか、彼に冷たく当たる部分。
人間の醜さって見るに堪えないものだ。

彼にとって果たしてどちらが幸福だったのか。
知的障害を抱え、馬鹿にされるが、しかし馬鹿にされている事実にすら気づかなかったあの頃か。
または天才へと変貌し、周りと同じ知能レベルに達し、そしてそのレベルを追い越し、会話ができるようになった、と同時に、今まで自分が受けてきたいじめや差別や偏見という事実を知り絶望する今か。

しかし本の中では、やはりチャーリーは自分が昔の姿に戻ることを悲しみ嘆いている。
彼はたとえ孤独になろうがやはり常人レベルの知能を持ち、周りとコミュニケーションを取りたかったのであろう。
悲しみで胸を締め付けられることは必至だが絶対に読んでいただきたい名作。
(Feb 15,2011)