No Man Is an Island Book Blog

世界文学を中心に読みあさっては感想を書き連ねています。素敵な本たちを中心に紹介していきます!

生きている ただそれだけで美しい by Augusto Cury

とても短い作品だが内容はすごいものがある。生きる意味を失った人へ贈る”あなた”の物語。
自殺を考えている人や、生きていることに苦しむ人に読んでほしい。作家は精神科医である。

人が生まれる前の、精子卵子が受精する話にまで遡る。他の数え切れない精子との生をかけた戦いに勝利し、卵子と受精する。そして”あなた”が生まれ、今ここにいるという奇跡。
もしこのレースに負けていたら、”あなた”ではない誰かが”あなた”としての人生を生きていたのだろう。
その精子が選ばれるには、どれだけの困難があったか。マラソンで優勝するよりも、高い山を登りきるよりも、もっともっと苦しい激闘であり死闘。
それに勝ち抜いた精子はやがて”あなた”を形作った。そんなあなたが、今そのレースとは比べ物にならないほど小さなことで悩み、苦しみ、涙し、精神を病んでボロボロになっている。
なんて悲しいことなんだ!あなたはあの激闘の素晴らしい勝利者なのだ!だからどんなことにだって立ち向かえるのだ!
と、このような内容の本である。

もちろん、精子が激闘を勝ち抜きあなたが生まれたと言われても、それは生まれるはるか前の話で、多くの人にとってはピンと来ない例えだろうけれど・・・。それでも私は非常に感動した。
生きることにまた希望を見出し、自分はかつて激闘を勝ち抜いた張本人なのであるから、これから起こるどんなことにだって立ち向かえる気がする、そんな勇気を与えてくれる。
生きる希望、自分への称賛、人間の生への可能性、精神の強さを見いだせる作品であった。

生きている、ただそれだけで美しい

生きている、ただそれだけで美しい

  • 作者: アウグスト・ジョルジェクリ,Augusto Jorge Cury,岡村多希子
  • 出版社/メーカー: アーティストハウスパブリッシャーズ
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 単行本
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